テラスハウスの定義や特徴は?
テラスハウスとは、複数の建物を連ねて建築されたもので、独立した庭やテラスが各戸に設けられています。一戸建て住宅が繋がった状態を想像すれば分かりやすく、長屋建て(または連続建て、連棟建て)住宅とも言われます。それぞれの敷地に独立した一戸建て住宅を建てるよりも、効率の良い敷地利用が可能になるほか、建築コストの面でもメリットが生まれます。ただし、隣家と壁を接するため少なくとも一面には窓がないことに注意が必要です。
テラスハウスと似た形状の建物に「タウンハウス」がありますが、この2つは主に敷地の権利形態によって区別され、敷地の権利が一戸建て住宅のように分けられたものがテラスハウス、敷地を共有するものがタウンハウスと呼ばれます。そのため、テラスハウスは一戸建て住宅に分類され、一戸建て風の共同住宅であるタウンハウスはマンションの仲間として扱われることもあります。また、2戸で1棟の建物を形成しているテラスハウスも多いでしょう。このような住宅を「二戸一」(にこいち)と呼ぶ場合もあります。それとは逆に、団地の一形態として数多くの住戸が連なったテラスハウスが造られることも少なくありません。
テラスハウスのメリットとデメリット
隣家と戸境壁を共用していることがテラスハウスの大きな特徴ですが、その点を除けば通常の一戸建て住宅と同じです。1階の玄関からの出入りがスムーズで、庭先に駐車スペースが設けられる場合もあります。庭に洗濯物を干し、2階のベランダに布団を干すといった使い分けもできるでしょう。間取りのうえで階段スペースが無駄だという指摘がされることもありますが、これは一戸建て住宅と条件は同じです。また、2階建てであれば上下階に住むのは家族ですから、音への配慮は比較的少なくて済みます。ただし、構造によっては戸境壁だけを隔てた隣家へさまざまな生活音が伝わってしまうデメリットがあります。遮音性能が低い場合には、隣家によって生活の快適性が左右される面も否めません。隣家へ接する側に、それぞれ押入れなどの収納やトイレ、浴室などが設置されていれば、音の問題は軽減されるでしょう。隣家と繋がっていることで、リフォームをする際に一定の制約が生じるほか、単独での建て替えは困難なケースも少なくありません。住宅を使用するうえでは一戸建て住宅と同じでも、構造はあくまでも連棟であることを意識することが必要です。
テラスハウスの分譲・賃貸、どのくらいある?
テラスハウスが建てられるのは、通常の一戸建て住宅だと敷地が有効に利用できない場合、あるいは建築コストの削減による事業の効率化が目的となる場合も多いようです。そのため分譲物件として供給されるテラスハウスは相対的に少なく、中古テラスハウスの売り物件もそれほど多くありません。また、分譲されるテラスハウスには地域的な片寄りもみられます。中古テラスハウスとして売り出されている物件を検索サイトで探すと、全国で700件前後がヒットするものの、その多くは関西圏の府県となっています。首都圏では数件程度のこともあるほか、まったくない県もいくつかみられます。その一方で、賃貸のテラスハウスはかなりの数にのぼります。「一戸建て感覚のアパート」として建てられるテラスハウスも多いのでしょうが、物件検索サイトでは2万件前後がヒットし、こちらは全国どの都道府県にも物件が存在しています。